リハビリテーション科
リハビリテーション科のご案内
~多職種連携を大切に、円滑な退院支援を行います~
当院では、入院早期から回復期、維持・緩和期に至る幅広い範囲でリハビリテーションを提供しています。
また、病院外来・通所リハビリ(たんぽぽ)に加え、2014年に訪問リハビリを立ち上げ、患者様が住み慣れた地域へ戻られた後も、当院から一貫したサポートを提供できるような体制をとっています。
スタッフ体制
理学療法士 | 作業療法士 | 言語聴覚士 | リハビリ事務 |
---|---|---|---|
43名 | 20名 | 7名 | 1名 |
※令和5年6月24日現在
各課のご案内
理学療法
理学療法では、寝返り・起き上がり・座る・立つ・歩く・階段に登るなど、人が生活する上で必須である基本的な動作の練習を行います。
そのため、対象となる患者様は幅広く、
- 骨折などの整形疾患
- 脳卒中
- 呼吸器疾患(COPDなど)
- 循環器障害
- 廃用症候群
など、多岐にわたります。
▶術後早期などはベッド上でリハビリを行うこともありますが、状態が安定すればリハビリ室にて積極的な運動療法を行います。
作業療法
現在、当院には作業療法士が20名在籍しており、入院患者様のリハビリやデイケア・訪問リハ・特養ときわでのリハビリなどを実施しています。
作業療法の主な範囲
作業に焦点を当てた実践には、心身機能の回復、維持、あるいは低下を予防する手段としての作業の利用と、その作業自体を練習し、できるようにしていくという目的としての作業の利用、およびこれらを達成するための環境への働きかけが含まれます。
(例)
- 食事・排泄・入浴などの日常生活練習
- 料理、洗濯、掃除などの家事練習
- 高次脳機能障害に対するリハビリ
- 退院後の住環境への適応訓練
これらを行い、その人なりの生活の方法を一緒に考えながら習得をサポートしていきます。
言語療法
当院には言語聴覚士が7名在籍しており、入院患者様や外来患者様の他にも、デイケアや訪問リハビリなどでも対象患者様のリハビリテーションを行っています。
言語聴覚療法
言語聴覚療法では、以下の患者様を対象に医師の指示のもと
「ことば」や「コミュニケーション」
についての専門的なリハビリを実施します。
摂食機能療法
摂食機能療法では、脳卒中や加齢など様々な原因によって飲み込みの機能が低下した患者様に対して、「安全に楽しく食べること」を目標に専門的なリハビリを実施します。
当科の特徴について
➡当院では、患者さんの退院をより円滑に行うために、地域包括ケア病棟(1病棟、2病棟)と回復期リハビリテーション病棟(4階)に『専従セラピスト』を配置しています。
※専従セラピストとは?
⇒患者さん一人ひとりの担当セラピストとは別に、各病棟に配置された療法士のことを言います。通常のリハビリ時間とは別に、必要に応じて病棟生活の自立のためのアプローチを行います。
↑病棟に配置されているため、医師や病棟スタッフ、リハビリ担当者との連携もスムーズにサポートできるのが利点です。
- 靴の脱ぎ履き動作の練習の様子
-
食事が一人で行えるように、専従の作業療法士が
サポートを行なっています。
▶当院では、病棟でのリハビリテーション以外に、訪問リハビリ・デイケア(たんぽぽ)・外来リハビリも実施しており、退院後のフォローも充実しています。
訪問リハビリ
当院のセラピストが直接ご自宅ヘ訪問し、リハビリテーションを行います。
利用者さん自身がその人らしい生活が行えるよう、多職種と協力しながらサポートしていきます。
デイケア(たんぽぽ)
ときわ病院に併設した、通所リハビリテーション施設(たんぽぽ)です。
様々なクラブ活動(園芸クラブ・将棋クラブなどなど)も行っており、利用者さん一人ひとりが楽しく過ごせるように日々工夫しています。
外来リハビリ
入院リハビリスタッフと
デイケアリハビリスタッフとの
情報交換の様子
☆退院後の生活についても、一括してサポートできるのが当科の特徴の1つです。
⇒当院にはより専門的な知識・経験をもった認知症サポートチームが存在し、
『認知症の方々に対しての関わり方』
について、必要に応じて個別で対応しています。
どのように関わるとご自身のストレスが少ない状態で退院支援が行えるのか、定期的にカンファレンスを行なって検討しています。
おれんじルーム
認知機能や精神機能の維持・向上を目的に、担当によるリハビリ時間以外で定期的に作業活動を実施しています。
ご本人が無理なく意欲的に行える内容を、個別で選択し実施しています。
リハビリ室には訓練用に浴室や和室があり、退院後の生活に応じた訓練が可能です。
- 浴室
- 洗面所
- キッチン
- 和室
状態が安定した患者さんについては、必要に応じて屋外歩行練習を行います。外の空気を吸うことで、患者さんのリフレッシュにもなります。
↑入院患者さんやたんぽぽ利用者さんにも人気の中庭です。春には花見を行なったりもします。
回復期リハビリテーション病棟(4階)
→回復期リハビリテーション病棟は、脳血管疾患または大腿骨頸部骨折などの病気で急性期を脱しても、まだ医学的・社会的・心理的なサポートが必要な患者さんに対して、多くの専門職種がチームを組んで集中的なリハビリテーションを実施し、心身ともに回復した状態で自宅や社会へ戻って頂くことを目的とした病棟です。
≪回復期リハビリテーション病棟協会HPより抜粋≫
取り組みと特色
365日体制でのリハビリの提供
▶入院中の患者様が早期に住み慣れた生活でその人らしい生活が送れるように、平日に加え土日・祝日を含めた365日体制でのリハビリテーションの提供に努めています。
病棟生活そのものがリハビリテーション
▶リハビリ室でのリハビリに加え、入院中の「食べる」「トイレに行く」「着替える」「顔を洗う」などの生活動作自体も大切なリハビリです。病棟とリハビリスタッフが協働し、「できることは自分で行う」「できない事こそ自分で取り組む」を目標に、日常生活動作の早期改善を図っています。
退院後の生活に即したリハビリの提供
▶退院後の生活をより安全に送って頂けるよう、必要な生活動作の練習を入院中より積極的に行い、個々の生活を見据えたリハビリテーションを提供しています。
《リハビリテーション室の設備》
- 整容練習スペース・入浴練習スペース
- 調理訓練スペース・和室スペース
病棟専従のセラピストチームを配置
▶専従セラピストチームは、各病棟に入院されている患者様一人ひとりを把握し、日常生活動作を早期に改善できるよう、他のスタッフと連携しながら生活に即したリハビリを提供しています。
《専従セラピストの役割》
↑様々な職種と協力して、『病棟生活が自立出来るように』支援しています。
《専従セラピストの活動内容の一部》
病棟で座れるようになるために、座位練習を行っています。
- 歯磨きや洗面動作が一人で行えるように、日々の生活の中で訓練しています。
- 病棟のカンファレンスに参加し、患者さんの情報を共有しています。
- 病棟スタッフと相談しながら、どのように退院支援していくか検討しています。
地域包括ケア病棟(2階)
→地域包括ケア病棟は、急性期医療を経過した患者さんや在宅で療養を行っている患者さんなどを受入れ、在宅復帰を支援する病棟です。
取り組みと特色
▶当院の地域包括ケア病棟では、
- 個別リハビリ(マンツーマンのリハビリ)
- 補完代替リハビリ
↑これらの両輪で、より良いリハビリの提供を実施しています。
補完代替えリハビリとは?
▶従来のマンツーマンのリハビリとは別に、病棟生活の中でリハビリスタッフが患者さんに関わり、退院支援をサポートしていきます。
↓以下、補完代替えリハビリの内容の一部です。
【POCリハ】
▶食事や整容・トイレ・更衣など、生活で必要な動作の練習などを行います。頻回に声掛けし、患者さん本人が行いたい時間に関わることが出来るのが魅力です。
【おれんじルーム】
▶認知機能の維持などを目的に、集団での作業活動を実施しています。
【集団体操】
▶入院中に身体の機能を維持・向上させるため、集団でのリハビリ体操を行っています。
▶このように、様々な方法で患者さん個々に応じた方法で、在宅復帰をサポートしています。
▶以下に、地域包括ケア病棟での退院支援の流れの例を記載します↓
【状態が徐々に落ち着いてきた患者さんの例】
①入院初期は身体に負担が少ない程度のリハビリを実施。
②状態が安定してきたら、マンツーマンのリハビリ(個別リハビリ)を増やして在宅復帰を目指す。
【早期に生活動作が自立した患者さんの例】
①早期に集中的に個別リハビリをしている実施。
②生活動作が自立したら、退院後も体力を維持出来るように運動を習慣化させてから、退院する。
↑このように、各患者さんの状態に応じて、様々な方法でリハビリを行えるのが『地域包括ケア病棟の利点』です。
医療療養病病棟(3階)
※写真
教育体制について
▶当科では、2021年度より『新人教育部門』を発足し、新人セラピストに対してより専門的かつ包括的な卒後のフォローアップを行っています。
新人教育部門の理念・方針
理念
様々な疾患に関する知識・技術・経験を持ち、地域に根ざしたリハビリテーションを提供出来るジェネラリストを育成します。
方針
1)多職種と連携し、個別性のある退院支援が行えるセラピストを育成する。
2)幅広い専門知識を身につけ、科学的根拠に基づいた治療が行える人材を育成する。
3)興味のある分野に対して積極的に自己啓発出来るセラピストを育成する。
↑これらを達成するため、以下の内容を実施しています。
●指導担当による業務全般のサポート
●OJTによる臨床業務の指導
●定期的な検討会・勉強会の実施
●定期面談の実施
●新人指導担当による業務全般のサポート
▶入職時より新人教育担当のセラピストが、業務全般の指導・サポートを行います。
【指導内容】
- 社会人としてのマナー
- 書類業務
- リスク管理
- 実技指導
- レジュメ、レポート作成指導 など
●OJTによる臨床業務の指導
▶OJT(On-The-Job-Training)とは、実際の臨床現場で先輩セラピストが後輩セラピストへ必要な知識やスキルを伝える教育訓練です。
▶実際の担当患者様のリハビリを行いながら指導を行いますので、患者様へのより良い介入が行えるというメリットがあります。
▶新人教育部門では、頻繁にOJTが行えるよう指導時間を出来る限り確保して新人セラピストの成長をサポートしています。
●定期的な検討会・勉強会の実施
▶新人部門内で月に2回以上は検討会もしくは勉強会を実施し、個々の成長を支援しています。
※勉強会、検討会の写真
※勉強会、検討会実績の表(PT)
●定期面談の実施
▶1年目〜3年目のセラピストについては、年間5回の面談を実施し、日々の臨床の悩みを聞き取りしています。
▶また面談時にラダー評価も併せて行い、自身の現状の状態を把握します。
ラダー表について詳細はこちら↓
その他
1年目のスケジュールについて
▶一年目のセラピストは4月の研修や協働参加を経て、5月より一人でリハビリを行います。
【4月スケジュール(2023年度分)】
↑7日程度の研修を経て、第2週より徐々に担当する予定の患者さんのリハビリを先輩と協働で行います。
▶5月から一人でリハビリを行うことになるので、4月時点で自立出来るようにサポートしていきます。
【一年目のリハビリ単位数】
↑5月から徐々に単位数を増やし、8月以降1日16単位のリハビリを行います。
▶その他の時間を担当患者様のレポートを作成したり、自己研鑽に費やします。
その後のキャリアアップについて
▶新人教育が終了すると、2~3年を経ておのおの各配属先にてリハビリを行います。
- 病棟勤務(継続)
- 専従セラピスト(回復期、地域包括ケア)
- 訪問リハビリ
- デイケアリハビリ
- 外来リハビリ
↑新人教育部門にいる間に配属先の希望を頻繁に聴取し、本人と今後のキャリアプランについて相談していきます。
▶必ずしも希望の配属先で働けるわけではありませんが、可能な範囲で考慮します。
先輩からのメッセージ
※Q&Aリンク
フォトギャラリー
OTの資格について
- 3学会合同呼吸療法認定士 1人
- 認知症ライフパートナー1級 1人
- ガンリハ研修終了者 1人
- 福祉住環境コーディネーター2級 2人
- MTDLP基礎研修終了者 2人
- 4DAS基礎研修終了者 10人
- 日本救急医学会コースBLSコース終了 2人
- 認知症サポーターキャラバンメイト養成研修修了者 2人
- 認知症ケア専門士 1人
- 終末期ケア専門士 1人
2019.3.3(日) |
ひとり外出見守り体験会 (介護保険課、地域包括支援センター) |
認知症サポーター養成講座内の解説、質問対応等 |
2019.9.13 |
地域で認知症を考える (コープ志染主催) |
認知症予防の二重課題 認知症寸劇の解説や質疑応答 |
2019.10.27(日) |
第14回三木南ふれあい交流イベント (三木南ふれあいプロジェクト主催) |
認知症予防プログラムのデモンストレーションとして来場者に対して簡易の身体機能テスト実施 |
2019.11.6 |
三木市主催の認知症予防の講義 頭すっきり教室交流会 |
認知症予防の活動を行っている地域住民との交流をテーマに認知症予防や二重課題の講義 |
2019.12.6~ 2023現在まで毎年 |
認知症予防プログラム (三木南ふれあいプロジェクト主催) |
年2回、プログラム内の身体機能検査・4DASを利用した個別評価の実施 |
2020.2.3 |
北播磨圏域4DAS普及推進モデル事業研修会 |
兵庫県4DASの実践報告 |
2023.2.18 |
神戸市西区多職種連携講演会 講演 |
回復期リハビリテーション病棟におけるミールラウンドのチームアプローチ、専従OTの視点 |
2022.3.21(月) |
兵庫県4DASフォーラム |
医療・介護現場における4DASの取り組み事例発表 |