検査科
概要・特色
検査科では、臨床検査技師6名(男性2名、女性4名)が在籍し患者様の検査に携わっています。
臨床検査は診療を行う上で患者様に良質な医療を提供するため、検査業務の質と信頼性が非常に重要となる部門です。臨床が望む検査を迅速かつ正確に行い必要とされるデータを提供し、臨床に貢献しています。
また院内感染制御チーム(ICT)や栄養サポートチーム(NST)といったチーム医療にも積極的に参加し他科と協力して活動を行っています。
近年では、医学や検査機器、情報関連技術の発展により検査技術も進歩しています。
検査科スタッフ一同その大切な役割を担うため、検査技術や専門知識の向上に日々努めてまいります。
検体検査部門
生化学検査では、血液・尿に含まれる体内の化学的成分(蛋白・糖・脂質・酵素など)を測定します。体内の成分には、体の状態、病気の有無や進行の程度によって性質や測定値が変動するものが多くあり、これらを調べることによって病気の診断、治療効果の判定、病態の経過観察に有用されています。また、ウイルスや細菌などの病原菌(抗原)に感染したときに生体防御反応(免疫反応)で出現する抗体などを測定し、感染の有無を調べます。
精度の高い結果を臨床に報告できるように各分析装置・検査項目で外部精度管理に参加し信頼性の向上に努めています。
主な検査項目
生化学検査
肝機能 | AST、ALT、ALP、γ-GTP、LD、T-bil、TP、ALB、ChE |
---|---|
膵機能 | AMY |
腎機能 | BUN、CRE、UA |
脂質代謝 | T-cho、TG、HDL-cho、LDL-cho |
糖代謝 | GLU、HbA1c |
電解質 | Na、K、Cl、Ca |
その他 | CK、CRP、BNP、PCT、トロポニンI、H-FABP |
血液ガス | pH、pO₂、pCO₂、HCO₃、tCO₂、BE |
迅速検査 | HBV、HCV、HIV、梅毒、C,ディフィシル、マイコプラズマ、ノロウイルス、溶連菌 |
血液検査・輸血検査
血球数 | 赤血球数、白血球数、血小板数、ヘモグロビン濃度 |
---|---|
形態学的検査 | 末梢血液像(好中球、リンパ球、単球、好酸球、好塩基球) |
血液凝固検査 | PT、APTT、フィブリノーゲン、D-ダイマー、出血時間 |
血液型検査 | ABO式血液型、Rh式血液型 |
輸血検査 | 不規則抗体検査、交差適合試験 |
一般検査
尿定性 | pH、蛋白、糖、潜血、ビリルビン、ウロビリノーゲン、ケトン体、比重 |
---|---|
尿沈渣 | 赤血球数、白血球数、上皮、細菌・真菌の有無、結晶など |
迅速検査 | 尿中肺炎球菌、尿中レジオネラ菌 |
免疫検査
核酸増幅検査 | SARS-CoV-2(新型コロナウイルス) |
---|---|
抗原定量検査 | SARS-CoV-2(新型コロナウイルス) |
病理検査部門
病理検査では、適切な治療のために正確な診断が必要となります。手術や内視鏡検査で採取された患者様の組織や細胞から標本を作製し、その標本を病理医が顕微鏡で観察して、病理診断を行っていきます。癌・悪性腫瘍の診断や病変の広がり具合、転移の有無、治療効果の判定などを行うことを病理診断といます。
生理機能検査部門
患者様の身体を直接調べ、生体情報を測定・記録し体の状態を調べる検査です。
超音波検査
超音波検査では、人の耳では聞こえない高い周波数の音を発生させ、対象物(臓器)に当て、その反射を利用して画像化し、臓器の状態を調べる検査です。放射線被曝の心配もなく、痛みを伴わないため検査を何回も行えます。
腹部 | 肝臓、膵臓、胆嚢、腎臓、脾臓、消化管(小腸、大腸など)骨盤腔(膀胱、前立腺、子宮・卵巣)など ※絶食していただく必要があります。 |
---|---|
乳腺 | 乳房全体の状態、しこりの形や石灰化、腫瘍の有無、リンパ節の評価 ※全て女性技師が施行しています。 |
心臓 | 心臓の形態、動き、心臓内の血液の流れ |
頸動脈 | 血管壁の肥厚の有無、血流観察による狭窄や閉塞の有無 |
甲状腺 | 大きさ、腫瘍病変の位置や大きさ・性状を観察 |
下肢動脈 | 足の痛みやしびれの原因となる狭窄や閉塞の有無 |
下肢静脈 | 下肢静脈の血栓の有無、静脈の弁逆流の評価 |
心電図検査
心電図 | 現在の心臓の動きを記録し、不整脈などの有無を評価を行う。 |
---|---|
ホルター心電図 | 24時間の心臓の動きを記録し、記録中の心電図変化の評価を行う。※機械を取り外すため、翌日来院していただく必要があります。 |
運動負荷心電図(マスター) | 階段昇降運動をおこなった直後の心電図変化の評価を行う。※運動しやすい服装での来院をお願いします。 |
呼吸機能検査
呼吸機能検査は、肺活量や1回換気量などを調べて、肺がどの程度の働きが行えているかを調べる検査です。
呼吸機能検査 | 肺活量、肺機能の評価、CO濃度測定 |
---|
血圧脈波検査(ABI/PWV)
ABI | 動脈硬化(血管の詰まりやすさ、硬さ)の評価 |
---|